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日本エコレザー基準(JSE) Part2
 
 本事業は経済産業省の補助により実施しております。従来はJSG基準として親しまれてきましたが、種々検討した結果、略称をJES(Japan Eco Leather Standard)基準と改めました。今後ともよろしくお願い申し上げます。環境に配慮した製造方法で人体に安全な革を消費者に提供することにより皮革産業を持続可能な産業として発展させることを目的としています。
 
1.日本エコレザー基準の背景
 世界の革・革製品専用の環境ラベルは、1994年にオランダ及びEU靴統合ラベルが発表されて以来、繊維関係を主体としたエコテックススタンダード100、ドイツのSGラベル、ドイツ鞣製学校のLGRマーク、国際タンナーズ協会(ICT)のエコトックスラベル、中国の本革エコマーク基準値が相次いで発表されました。
  わが国では2006年(平成18年度)に「日本エコレザー基準」を提案しました。この基準値に適合していることを必須条件として、(財)日本環境協会が「かばん・スーツケース」、「靴・履物」についても商品類型に認定し「エコマーク」を取得できることになりました。平成21年度には革手袋、革衣料、家具、ベルトなどの認定作業が予定されています。
 
2.エコレザーとは
 「日本エコレザー基準」に適合し、革の資源、製造、流通、消費、廃棄、リサイクルなど全般における環境負荷低減に配慮し、環境面への影響が少ないと認められる革材料のこと。
 
3.日本エコレザー基準(JSE)適用革の範囲
牛革、馬革、豚革、羊革、山羊革であって、肉(食料)の副産物であるもの。
革を層状に分割したときに生ずる肉面側の残革(粉砕などしない)を再利用した床革。
野生動物で商取引証明書のあるもの(ワニ、ヘビ、オーストリッチ、カンガルー、鹿など)。
 
4.日本エコレザー基準(JSE)
 
 
項目 エキストラ 成人(皮膚接触) 成人(皮膚非接触)
臭気 3級以下
ホルムアルデヒド 16mg/kg以下 75mg/kg以下 300mg/kg以下
重金属(鉛) 0.2mg/kg以下 0.8mg/kg以下
  (カドミウム) 0.1mg/kg以下 0.1mg/kg以下
  (水銀) 0.02mg/kg以下 0.02mg/kg以下
  (ニッケル) 1.0mg/kg以下 4.0mg/kg以下
  (コバルト) 1.0mg/kg以下 4.0mg/kg以下
  (6価クロム) 検出せず 検出せず
  (総クロム) 50mg/kg以下 200mg/kg以下
ペンタクロロフェノール(PCP) 0.05mg/kg以下 0.5mg/kg以下
染料(発がん性芳香族アミン) 検出せず 検出せず
染料(発がん性染料) 使用せず 使用せず

染色摩擦堅ろう度 顔料仕上げ ナチュラル仕上げ(淡色) ナチュラル仕上げ(濃色)
(乾燥試験 フェルト汚染等級) 3-4級 3-4級 2-3級
(湿潤試験 フェルト汚染等級) 2-3級 2-3級 2級
 
 
 
 
 
日本エコレザー基準(JES)適合革への留意事項
 
平成14年〜20年度にわたり市場流通革を分析した結果、日本エコレザー基準への適合率は、輸入 革よりも国産革の方が高いことがわかった。国産革、輸入革とも不適合要因となる項目で多いものは、溶出ホルムアルデヒド、発がん性芳香族アミン、染色摩擦堅ろう度の3項目である。臭気、鉛、コバルト、6価クロム、総クロムに関してはほとんどの革では基準値内であった。カドミウム、水銀、ニッケル有機塩素化合物(ペンタクロロフェノール PCP)について検出された革は無かった。なお、発がん性染料については「使用せず」となっているため、企業の誓約書に基づくものである。これらの中から重要と思われる6項目について、その留意点をまとめてみると以下のように要約される。
 
 
1.溶出ホルムアルデヒド
   ホルムアルデヒドを主鞣し剤として使用する場合は、ほとんど基準値に適合しないであろう。特に非クロム鞣し革の前鞣し剤として使用することはできない。また、クロム鞣し革の再鞣剤としてホルムアルデヒド縮合物からなる合成タンニン剤の使用は、ホルムアルデヒドを溶出する場合があるため留意する必要がある。
     
2.溶出鉛
   準備工程から鞣し、再鞣、染色・加脂工程で鉛を含む化学物質や鞣剤を使用することはない。これらの工程で革中に鉛が含まれることは考えられない。しかし、溶出鉛は不適合要因の一つである。 仕上げ工程では様々な色合いの革が作られる。仕上げ工程で使用される顔料は無機顔料と有機顔料がある。無機顔料のオレンジ色、黄色、赤色の顔料には鉛を含む顔料がある。有機顔料に比べ隠ぺい力が高く、価格も安価なことから仕上げ工程でしばしば使用されているが、仕上げ方法や使用量によっては基準値を超える場合があるので留意すべきである。
     
3.溶出6価クロムと溶出総クロム
   クロム鞣しでは3価クロム鞣剤を使用するため、革中には6価クロムは存在しない。しかし、原料皮中に含まれる地油、加脂剤、熱、光、保存条件などの影響を受けて3価クロムが6価クロムに変換するという文献もある。また、ある種の加脂剤により6価クロムに変換した事実もある。溶出6価クロムの検出率は極微量であるが留意すべき項目である。なお、溶出総クロムはよほど間違ったクロム鞣しを行わない限りほとんど基準値内である。
     
4.発がん性芳香族アミン
   わが国では発がん性芳香族アミンを含むアゾ染料等は製造を禁止されているが、現在のところ、使用は禁止されていない。皮革用染料は国内産、海外産が市場に出回っている。この中には発がん性芳香族アミンを含むアゾ染料が流通しているのが現実である。染料の購入先に対しよく確認することが重要である。発がん性芳香族アミンを含まない染料を使用すればこの課題は解決する。
     
5.染色摩擦堅ろう度
   他の環境ラベルの基準値に比べて、日本エコレザー基準値は、革本来の特性を生かすため、革の仕上げ方法、濃淡色により基準値を配慮している。それにもかかわらず、不適合要因として最も高い比率である。特にスエード、ヌバック、ベロア革の場合には特に留意する必要がある。また、ナチュラル仕上げで濃色の場合も染色摩擦堅ろう度に対し留意しなければならない。
     
     
     
     
エコレザーに関するアンケート調査
 
 協同組合資材連主催の第79回東京レザーフェアが平成21年1月22日〜23日の2日間にわたり、都立産業貿易センター台東館で開催された。当協会は「環境対応革(エコレザー)」の啓発および認識度の調査を兼ねて、(財)日本皮革研究所のブースで「エコレザー啓発パネルを展示するとともに、来場者を対象に下記の項目についてアンケート調査を行った結果の概要を示す。
 
問1 皮革製品と繊維・プラスチック製品のどちらが好き?
問2 皮革製品の良い項目は?
問3エコレザーから連想する内容は!
有害物質を含まない革、環境を配慮した革?
問4 もしエコレザー認証ラベルがあれば
その製品を選びますか
問5 皮革製品に対する要望項目は 問6 エコレザーという言葉を聞いたことが
ありますか?
 
 
商品類型N0.101 商品類型N0.143 平成21年度以降拡大予定
(家具、衣料、手袋等)
 
(財)日本環境協会が認定している(かばん・スーツケース類)、(靴・履物類)のエコマーク認定を受けようとする場合、革の原料となる皮は食肉の副産物として発生する家畜皮(牛、馬、豚、山羊、羊)に限られています。先ず「日本エコレザー基準」に適合している試験成績書と「原皮供給証明書」が必要です。
 
 日本エコレザー基準(JES)認定革は、消費者に安心感を与え、環境負荷低減に役立つレベルの高い環境差別化商品です。国際的な競争に打ち勝っていくには、日本エコレザー基準認定革を基礎にし、 さらに付加価値をつけた個性的な革商品を開発することが求められています。それにより日本の皮革産業が持続的に発展できるものと確信します。


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日本皮革技術協会             (発行:平成21年3月)

HP: http://www.hikaku-kyo.org/ (平成 20 年度環境対応革開発実用化事業)